融資とは全く違う資金調達手段として、ファクタリングという手法があることを市場がいよいよ認知してきました。

伴って利用件数もかなり増えており、様々な業界でファクタリングが活躍しています。

資金需要というのはどの業界でも急に発生するもので、一見して資金流通に支障が出なさそうな業界でも意外とよく利用されることがあります。

東京はもとより、国内産業をけん引する力が大きい大阪や名古屋でもかなり利用件数が上がっています。

今回は大阪や名古屋の事業者様に特に人気の高いファクタリングの種類について、業種別の利用形態を見ていきます。

■製造業

製造業

モノづくりの意気が盛んな大阪・名古屋をはじめ、国内の製造業は中小の事業者が実質的に支えている状況です。

最近はAIをはじめとしたデジタル技術が急速に進歩してきたため、IT業界で使われる電子機器の需要が増しています。

また自動車部品製造なども、人気車種が登場すると一定の部品を短期間に製造、納品しなければならないなど、製造業分野では色々な方面で急な資金需要が発生するシーンが多くなります

発注先の事業者は下請け事業者の都合を親身に考えてくれることは少なく、急な発注にかかる資材の調達資金として、下請け事業者の方がファクタリングをよく利用されます。

製造業では急ぎの発注も多いため、金融機関の融資のような時間のかかる資金調達は実質的に使えず、早ければ数日以内に現金を調達できるファクタリングが大変喜ばれています。

■建築業・土木業

建築業・土木業

建築業・土木業もファクタリングの需要が大きい業界です。

ゼネコンを頂点とした重層ピラミッド構造で下請け、孫請けの中小事業者が資金面で苦境に立たされることが多くなります

仕事の実質的な指示は親となる業者から受けることになりますが、建築・土木は請負事業に該当することから、仕事の完遂はあくまで引き受けた事業者側の責任で行う必要があります。

資材の発注から支払いまで自社の責任で行わなければなりませんが、多重構造となる取引関係から支払いサイクルが長期化し、自社で資金が必要となるシーンに合わせて現金を手元に確保できなかったり、竣工遅れなどで予定していた入金が遅れ必要資金が用意できないなどのケースがよく起こります。

かといって、現状の資金難を心配して受注を見送らせると、取引相手に資金難を疑わせることになります。

信用の低下は絶対に避ける必要があり、下手をすると次回以降の仕事の受注ができなくなる恐れがあるので、自社の責任で何とかするしかありません。

支払いサイクルが長期化しがちな産業では、必要な時期にいつでも速やかな資金調達が可能なファクタリグが大いに役に立ちます。

■運送業・配送業

運送業・配送業

昨今の人手不足のあおりをもろに受けているのが運送・配送業界です。

近年はインターネット通販が盛んになり、取扱数がうなぎ上りに増えていることも人手不足に拍車をかけています。

また運送・配送は繁忙期となる時期もあり、一年を通して変動のない安定した人員環境を維持することが難しい特徴があります。

閑散期に余剰な人員や車両を保有しておくことはできないので、取扱量が増える時期に呼応して調整するのが基本ですが、需要が高まる時期にはそれだけ調達コストも上がり、狙い通りの人員や車両を調達するための資金確保が間に合わないこともあります。

この業界では他にも燃料価格の上昇など自社で調整することができない要素があったり、車両の故障や事故などで急な対応資金が必要になることもあります。

こうした十分な余裕をもった対応が難しい、あるいは予期できない資金需要に速やかに対処できるファクタリングは、物流が盛んな大阪や名古屋の運送・配送業界で重宝されています。

■小売り・卸業

小売り・卸業

小売業においては、近年のネット通販の普及によりこれまでのような販売形態では利益の確保が難しくなってきています

卸業も小売業とほぼ一連托生の関係にあり、両者は非常に関係の強い業界です。

小売業では販売形態を見直したり、新たな事業への参入などで資金需要が発生することがありますので、こういったシーンでファクタリングが利用されます。

卸業界では多種多様な仕入先と連動し、同時に小売事業者に商品を卸して利益を確保しなければならず、入金と支払いのサイクルを完全に一致させるのは困難です。

かといって一度でも支払いが滞ると、信用が重要な業界では活動できなくなってしまいます。

時期のミスマッチをカバーすることができるファクタリングはとても重宝され、小口の案件でも対応可能なファクタリング業者が好んで利用されます。

■医療・歯科医療業

医療・歯科医療業

不安定な経営要素がなさそうに見える医療業界や歯科医療業界も、実はファクタリングに親和性が高い業界です。

医療系のクリニックや歯科医院では、高価な医療器材の導入にまとまった資金が必要になることがあります。

また歯科医療業界は近年、供給過多で患者の争奪戦が起きており、宣伝広告費の需要が増しています。

コンビニより多いといわれる歯科医院は開業しただけでは十分な利益の確保が難しいので、プロの広告業者と組んで効果的な広告戦略を練るケースが増えています。

設備や宣伝広告費などの費用の増加と裏腹に、医療業界では国が定めた保険点数制度の制約があります。

患者さんから頂く診療費は3割程度しか徴収できず、残りは公的な診療報酬支払機関に手続きを取って回収しなければなりません。

その手続きには約2か月もかかってしまうので、実働した仕事の報酬は二か月後でないと手に入らないということになります。

ここをカバーできるファクタリングが利用されるわけですが、診療報酬債権はファクタリング業者にとってはとてもうまみのある債権で、公的な診療報酬は取りっぱくれがないので手数料を下げて対応することができます

そのため医療機関としても利用のハードルが下がり、必要な資金需要が発生した時点で割と気軽に利用することができるため、利用数が伸びている業界です。

■調剤薬局

調剤薬局

診療報酬ファクタリングと同じ仕組みで調剤報酬を得ている調剤薬局も、ファクタリングを利用しやすい業界です。

調剤薬局は街中の一般的なドラッグストアとはまた違った性格を持ち、営業形態も異なります。

主に医療機関に併設して門前薬局として開店することにより、病院やクリニックから患者さんの流入を考えるのが基本的な経営戦略です。

必然的に、併設する医療機関が扱う診療科に合わせた薬剤の調達・保管が求められますが、基本的に調剤薬局はどこの医療機関からの処方箋にも対応できるようにしておかなければならないので、多方面の薬剤の準備が求められます。

調剤報酬の入金は診療報酬と同じく約二か月後となるので、特に新規開業のシーンで資金の枯渇が起きやすくなります

調剤報酬ファクタリングも公的な機関に対する債権ですから、手数料を低く抑えられます

そのため医療機関と同様に、調剤薬局もまたファクタリングを利用しやすい業界となっています。

■介護業界

 

介護業界医療や調剤業界の他に介護業界もファクタリングとの相性が良い分野です。

こちらも介護報酬の仕組みとして、公的な介護報酬支払機関からの入金が約二か月後となるため、目の前の資金需要に対して現実の入金が追い付かない仕組みになっています。

仕組み上に問題があると言わざるを得ませんが、例えば従業員の給料や社会保険料の支払い、税金の支払いなどは待ったなしで進めないといけません。

「入金サイクルが遅くて」という言い訳は通用せず、ケースによっては事業者にペナルティが課せられることもあります。

ペナルティを受けると金銭的な負担が生じるだけでなく、介護事業の継続に影響が出ることもあります。

ペナルティが足かせとなってそのまま事業破綻に進むケースもあるので、これを避けるため目下の資金確保手段としてファクタリングを利用するケースが増えています。

■一人親方業

一人親方業

建築・土木あるいは解体業などの業界では一人親方の事業者も多く活躍しています。

この業界の場合、実際の現場では他の一人親方の仲間と共同で仕事を進めることも多いです。

例えば一軒家の改修などの案件では、大工さんが必要な改修を行うだけでなく、配線工事には電気工事の事業主が、配管関係は左官屋さんの事業主がそれぞれ参加するなど、一つの案件を複数人で仕上げます

その際、最初に工事を受注した親方が他の仲間に声を掛けますが、一人親方の世界では仕事料は前払いが基本です。

声をかけられた各親方が必要な資材を確保するために前金が必要になるということもありますが、この世界は信用が第一であり、後払いの約束ではやる気がでないという一人親方稼業の性質でもあります。

前払い金の確保が難しいと依頼者を満足させる仕事の完遂が望めませんから、何とかして現金を先に調達する必要があります

現金を先に調達する必要があります

■人材派遣業

人材派遣業

最近利用ケースが増えているのが人材派遣業界です。

仕入れが発生しないことから一見して安定していそうに見えますが、実際はそうでもありません。

この業界では人件費が仕入れと同じ意味を持ち、派遣社員の人件費は結構な高額になります

加えて、取引先からの不意な契約解除や派遣社員の不祥事から損害賠償責任が発生するなど、なかなか見通しの利きづらいのが実情です。

予期しない資金需要が生じた際には、なかなか見通しの利きづらい

■その他

その他

上で見てきた業界以外にも、例えば広告代理店やアパレル業、携帯電話販売業などでも利用ケースが増えています。

それぞれの業界では特有の問題を抱えていますので、資金ショートが迫ったタイミングや、入金と支払いの「隙間」が生じるシーンでファクタリングが利用されることになります。

これまで見てきた業種以外でも、不意な資金需要が生じるタイミングはあると思いますので、その際にはぜひ売掛債権を現金化するファクタリングを検討頂ければと思います。