ファクタリングはアメリカなどではすでに一般的な資金調達法として認知されていますが、日本国内ではまだ一般化しているとまでは言えないのが現状です。

それでも以前に比べれば徐々に名前が知られるようになり、市場にも浸透してきました。

我々ファクタリングサービスを手掛ける事業者も肌で実感しておりますが、日本国内で一般化されたと認識されるまでにはもう数年かかることが予想されます。

ファクタリングが国内で浸透しにくい理由は色々考えられますが、元々は海外発祥であることも理由の一つになるでしょう。

今回は少し視点を変えて、ファクタリングの発祥や歴史について見ていきたいと思います。

まずは海外におけるファクタリングの発祥や歴史を概観し、次いで日本国内の事情を見ていきます。

■ファクタリングの発祥は紀元前まで遡る

■ファクタリングの発祥は紀元前まで遡る

諸説あるものの、一説にはファクタリングの発祥ははるか遠い昔の紀元前にまで遡るとされています。

歴史の教科書で見た古代メソポタミア文明時代のトレーダーが、当時のビジネスにファクタリングの仕組みを利用していたとされています。

当時はまだ紙幣なども存在せず、穀物や貨幣の代わりとなる銀などで取引がなされていた時代です。

歴史の本や映画などに登場する商人がファクタリングの仕組みを利用していたと想像すると、何やら感慨深いものがありますね。

■1300年~1600年代頃

■1300年~1600年代頃

1300年頃には、イングランドにおいて主に衣装関連のビジネスで資金調達の手段にファクタリングが利用され始めます。

1600年代に入ると国家間の取引も活発になり、現代のファクタリングにより近い利用法として使われ始めます。

主な理由としては、アメリカからイギリスに輸出されたたばこや綿、木材などの製品に対して、原材料の仕入れ費用の前払いを求めたことから、その費用捻出のための方法としてファクタリングが利用されたようです。

■1900年代

■1900年代

この時代、アメリカの繊維産業や縫製産業の各社はファクタリングによる資金調達を用いて、原材料の持続的、継続的な仕入れができるように工夫していました。

中断せずに製品を市場に供給できる体制を構築したことから、製品の安定供給を基礎にした企業の成長を図ることに成功しています。

この成功例がファクタリングの需要をさらに高めたため、アメリカの銀行もファクタリングサービスへの参入を図るようになります。

それまでは、ファクターと呼ばれる組織が実質的にファクタリングサービスを提供していました。

ファクターは今でいうところのファクタリング事業者ですが、銀行がファクタリングに参入したことから銀行とファクターの間でも債権の取引が行われるようになりました。

1900年代後半になると、ファクタリングサービスの需要が一気に高まります。

貸し付けにかかる金利の上昇銀行規制といった要因により、ファクタリングの需要が高まりを見せ、繊維産業や縫製産業にとどまらず、全ての業種でファクタリングの需要が高まったのです。

1990年代には大手金融機関の多くがファクタリングに参入していますが、より小規模の事業者も独自の活路を見出すために行動します。

大手と違い、特定の業種や産業をターゲットにしたビジネス展開を見せる中小事業者も大いに活躍しました。

現代におけるファクタリングはこの頃から本格始動を見せ始めたと捉えることができるでしょう。

■2000年代

■2000年代

2000年代に入ると、IT技術の普及なども手伝い、ビジネスのスピードが加速します。

ビジネスにおいて、これまで以上にスピードが求められる時となり、資金調達の面でも迅速性を求める必要が出てきました。

貸し付けや融資よりも迅速性に優れ、必要な場面で迅速な資金調達が可能なファクタリングの需要は一層高まります。

ファクタリング先進国であるアメリカでは、市場規模は日本の10倍とも言われています。

「債権」という目に見えにくい資産をうまく活用して、お金の流れを加速させていくことができれば、世界全体の経済の活性にも大いに貢献します。

その一方で、この頃の日本国内ではファクタリングの認知度は低く、利用されることも少なかったようです。

その理由は取引慣行の違いにありました。

■日本国内の事情

■日本国内の事情

日本国内でファクタリングが利用されたのは1970年ころとの説もありますが、決して一般的なものではなく、限られた企業や業者に利用されるだけで、市場規模と言えるほどのものはありませんでした。

この頃はまだ今ほど掛けによる取引が盛んでなく、手形を用いた取引が主流となっていました。

手形取引も信用取引の一種ですが、支払いを求められる会社が手形の振出企業となり、これを受け取った取引先が金融機関に持ち込んで現金化するという仕組みです。

手形にはいくつか種類がありますが、約束した期日になると金融機関に手形を持ち込むことで支払いを受けられるというのが主な仕組みです。

もしその期日前に現金需要が生じた時には、手形の割引を手掛ける業者に持ち込んで現金化することもできますが、手数料がかかるため現金化にロスが生じることになります。

早期現金化の仕組みはファクタリングに似ていますが、厳密には全く異なるものです。

ともかく、日本国内ではこの手形取引が主流で、これが「普通」であったためファクタリングが注目される機会がなかったのです。

ところが、1991年にはバブル崩壊という大事件が起こります。

悪い意味での信用不安の負の連鎖が起き、手形取引も減少していきます。

これを機に、日本国内でも段々とファクタリングというものに興味がもたれるようになりました。

■2000年代以降の国内事情の変化

■2000年代以降の国内事情の変化

2000年代に入ると、IT技術の進化に伴う電子決済の普及や、貸金業法の改正による法規制の強化が行われます。

決済スピードが格段に速まり迅速な取引が可能になったことや、小規模金融事業者が法規制のためにビジネスをしにくくなったことも手伝い、ファクタリング事業への参入を考える事業者が出始めます。

現状ではまだファクタリング事業に対する法規制もなく、民間の需要と供給に基づいた自由な取引が可能であることから、今後もしばらくはファクタリング事業に参入する事業者が増えると予想されます。

借り入れや融資に依存しない資金調達方法として、ファクタリングは国も注目しています。

経済産業省では流動債権を利用した資金調達を活性化したい姿勢を見せているので、これもファクタリングの活性化を後押ししてくれるでしょう。

ただ、先ほど述べたように現状では良くも悪くも法規制がないため、ファクタリング業者の良し悪しについては利用者側がよく吟味する必要があります

素性の良くない業者も紛れ込んでいることが確認されているので、利用にあたっては取引実績が豊富安全性の高いファクタリング業者であることを確認してから相談することが大切です。

■まとめ:これからの展望

■まとめ:これからの展望

日本国内のファクタリング業界は、今やっと認知度が高まってきた段階です。

市場としても成熟しているわけではなく、逆に言えば伸びしろが大いにある業界です。

借り入れや融資と比較すると、手数料の面で負担が高いものの、現金を手元に用意できる確実性が高く迅速性も高いので緊急の資金需要にも対応できるなどの利点があります。

今後もあらゆるビジネスで取引のスピード感は上がっていくことが予想されますから、借り入れや融資では対応が難しい迅速性を求めるシーンでファクタリングの活用が期待されます。

日本国内での市場規模は一層大きくなることが予想されますから、国の施策も含め今後の動きには気を配っておきましょう。