新しく事業を立ち上げることは大変な労力が必要になります。

法人の設立自体は以前よりも簡単になりましたが、現実にビジネスを発進させ軌道に乗せるのはなかなか大変です。

新設法人はまだ信用がないため、資金繰りの面で特に大変な思いをすることが多いですが、その際にもファクタリングは強い味方になります。

今回は新設法人がファクタリングによる資金調達を考える際のポイントについて、いくつか確認していきます。

■利用できる可能性は高いが多少の制限がでることも

利用できる可能性は高いが多少の制限がでることも

まだ信用の無い新設法人は、銀行等の融資では門前払いされることも多いです。

ファクタリングの場合は売掛先の信用の方が重視されるので、基本的には新設法人ということ自体はそれほど影響しません。

ただし、ファクタリング業者によってはリスク管理を考えて、「設立後〇年以内の法人は利用不可」などと形式上で利用を制限しているところもあります。

ただしその場合も、売掛債権の質がとても良く、債権保有会社自体の心証も悪くない場合には、総合的に評価を行い取引が認められることもあります。

借り入れほどではないにしても、多少の制限を受ける可能性については受け入れるしかありません。

■優良な売掛債権が必要

優良な売掛債権が必要

債権保有会社の信用が薄い分、取引材料となる売掛債権の質が重要になります。

保有する売掛債権については、概ね1か月~2か月以内に入金時期が確定しており、さらに同取引先と複数回の取引実績があることが認められないと、ファクタリング業者側は難色を示すでしょう。

もちろん、売掛先の企業自体に信用力があることが大前提です。

売掛先の信用力については興信所などのデータが参考にされることも多く、ファクタリング業者が信用力に疑問を感じると取引が認められないこともあります。

■資金繰り表の提出を求められることがある

資金繰り表の提出を求められることがある

ファクタリング業者によっては、新設法人との取引の際に資金繰り表の作成提出を求めることもあります。

ファクタリングは一時的な急場しのぎの手段として有効ですが、これによって利用企業が自転車操業に陥れば、いずれは倒産してしまいます。

そのようなことにならないよう、経営者に自覚を持たせる意味でもキャッシュフローを目で確認できるように資金繰り表の作成を求めることもあります。

手間を感じるかもしれませんが、そもそもキャッシュフロー表はビジネスを行う上で必要になるものですから、まだ無いのであればこの機会に作成しましょう。

■三社間取引ならば利用のハードルが下がる

三社間取引ならば利用のハードルが下がる

あまりにも若い会社であるとか、取引実績が少ないなどでファクタリング業者が慎重になるケースでも、三社間取引で進めることができれば利用のハードルはかなり下がります。

三社間取引では売掛先の会社の合意を取り、契約当事者として参加してもらうので、売掛金の回収ができなくなるリスクはかなり下がります。

ファクタリング業者側が安心できるので、取引が難しいケースでは三社間取引ができないか検討しましょう。

二社間取引と比べて手数料も大幅に下げることができますが、売掛債権の譲渡を知られてしまうことになるので、信用低下は避けられません。

業界内での評価なども気にしなければなりませんが、どうしてもという時は背に腹は代えられません。

■医療系のファクタリングはより可能性がUP

■医療系のファクタリングはより可能性がUP

クリニックや調剤薬局、介護施設などであれば、若い法人でもかなり有利になります。

診療報酬債権や調剤報酬債権、介護報酬債権は公的な支払機関が売掛先となるので、債権回収の確実性が高く、ファクタリング業者が特に好みます。

医療系、介護系の施設を開業したけれど資金調達が必要になったというときは、一般的な商社よりも優遇される可能性が高いので、ぜひ相談してみることをお勧めします。

■ノンリコースかどうかチェックしよう

ノンリコースかどうかチェックしよう

ファクタリングは売掛先が支払期限に約束通りの支払いをすることで手数料の清算がされる仕組みです。

もし売掛先が倒産するなどして支払いがされなくなると困るので、ファクタリングを手掛ける事業者の中には売掛先が倒産した場合に債権を譲渡した企業がその責任を負うように、契約上で約束するところもあります。

ファクタリング業者側は安心できますが、逆に利用者側は安心して債権譲渡行うことができません。

我々ノンバンクが手掛けるファクタリングは、通常売掛先の倒産によるリスクを債権譲渡企業に負わせない「ノンリコース取引」とするのが普通ですので、説明の際、及び契約書上でノンリコースとなっているか確認するようにしましょう。

■売掛債権の二重譲渡や架空債権譲渡は絶対NG

売掛債権の二重譲渡や架空債権譲渡は絶対NG

ファクタリングは目に見えない債権を取引の目的にするものです。

宝石や自動車のように目に見える取引材料でないため、やろうと思えば売掛債権の多重譲渡や架空取引をすることもできてしまいます。

例えば、売掛債権Xを最初にA社に譲渡して、譲渡代金を手に入れます。

その際、契約書を作成しますが取引対象はモノでないため引き渡しができません。

それをいいことに、次にB社に話を持ち掛けて同様に債権譲渡を行えば、代金を二重に手にすることができます。

この状態が二重譲渡ですが、繰り返して多重譲渡も不可能ではありません。

二重譲渡や多重譲渡を防ぐため、債権譲渡登記という仕組みもあるので、基本的には譲渡登記が利用条件に組まれることが多いですが、個別事案によって債権譲渡をしないで取引することも可能です。

それに乗じて二重譲渡をすることもできてしまいますが、これは犯罪行為になるので絶対にしてはなりません。

また、実際には存在しない取引を存在するように見せかけるため、売買契約書や納品書などを偽造する架空債権譲渡も悪意を持って臨めばできてしまいます。

これらの行為は刑事罰の対象になるので、会社経営どころか刑務所に入れられてしまいますから、絶対に考えないでください。

■売掛金の使いこみに注意

売掛金の使いこみに注意

三社間取引では売掛金が直接売掛先からファクタリング業者に渡るので良いのですが、二社間取引の場合、一旦債権譲渡企業に売掛金が支払われた後、当該の企業を経由してファクタリング業者にお金が移動することになります。

ですので、ファクタリング業者に渡すべきお金を、債権譲渡企業が使い込んでしまうトラブルも稀に発生します。

売掛金は契約によってファクタリング業者のものになっているので、これを使い込むことはやはり刑事罰の対象になる犯罪です。

意図的に行うことはもちろん許されませんが、こちらの問題は前項の多重譲渡や架空取引と違い、意図的でない使い込みをしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

売掛金の入金は口座への振り込みによってされることが多いので、その資金が自動で引き落とされてしまったり、口座間移動で他社への支払いに使われてしまうことは十分考えられます。

意図的でなくとも責任の追及は変わらずされますから、ファクタリング業者に支払うお金はきちんと手元に確保できるように準備しておきましょう。

■まとめ

まとめ

本章では新設法人がファクタリングの利用を考える際のポイントをいくつか見てきました。

借り入れや融資と比べると若い法人でも利用できる可能性が高く、ビジネススタート時の資金需要に対応する手段としてファクタリングは有効です。

取引には多少の制限が出ることがありますが、二社間取引が難しければ三社間取引を検討することもできます。

実際に取引が可能になった時には、売掛金の不用意な使い込みに注意し、手数料の清算手続きを滞りなく行えるようにしておきましょう。

本業のビジネスを軌道に乗せるのは苦労が伴いますが、上手な資金繰りを行って御社の成長を目指してくださいね。