最近のトレンド誌や金融関係の雑誌、書物などを読むと、「フィンテック(Fintech)」というワードが目に入ってくることが多いです。

なんとなく「金融関係のビジネス用語?」くらいの認識の方が多いと思いますが、この回ではフィンテックとはどういうものか、私たちの生活にどう関係しているのかなどについて見ていきたいと思います。

■フィンテック(Fintech)とはどんなものか?

フィンテック(Fintech)とはどんなものか?

このワードについてはまず言葉の語源から押さえた方が理解しやすくなります。

日本語よりも英語のスペル「Fintech」に着目してみましょう。

最初の“Fin”は、「金融」を意味するファイナンス(Finance)の意味を持つもので、後半の“tech”は「技術」を意味するテクノロジー(Technology)から来ています。

つまり金融と技術の二つの言葉を掛け合わせた造語というわけです。

このフィンテックという言葉は、実のところ使われるシーンや話題によって意味が異なり、複数の意味合いを持つためイメージとして捉えにくいのが難点です。

その時扱われる話題によっては「既存の金融システムを支える技術」のような意味で用いられることもあれば、「これまで無かった新しい金融システム」のような意味で用いられることもあります。

実際にはこれにとどまらず、「金融+テクノロジー」が関係するものの多くは「フィンテック」を用いても意味が通じてしまうほどです。

ではイメージを持ちやすくするため、次の項ではフィンテックに関係のある分野をカテゴリー別に分けて見ていきたいと思います。

■フィンテックが関係する具体的なサービス分野

フィンテックが関係する具体的なサービス分野

①決済手段・送金分野

日本でも近年急速に拡大している市場が決済や送金手段のサービスです。

「〇〇ペイ」が乱立して一時混乱したこともありましたが、例えばスマホで手軽に決済を行える手段であったり、QRコードを用いた清算手段、アプリを用いた送金サービスなどの分野がこれにあたります。

具体的にはLINEPayやPayPayなどがありますね。

②仮想通貨分野

「DMM Bitcoin」や「GMOコイン」など、データ形式の仮想通貨を扱う分野です。

仮想通貨は世界レベルで取引される市場に拡大し、仮想通貨取引所も運営されています。

③資産運用分野

資産運用分野では、従来は人対人で相談をするのが普通でした。

例えば投資アドバイザーなどに投資信託の相談をして、商品を選んでいくことが普通でしたが、最近では最適な投資パターンをロボットが提案してくれる「ロボ・アドバイザー」というものが浸透してきています。

④保険分野

保険分野でもフィンテックが活躍しています。

従来、保険商品の開発には相当の専門知識と経験を積んだ専門家が、リスクを分散しながら利益を出せるようにと、開発までに相当の時間をかけなければなりませんでした。

保険商品を作り出すことは「開発」と言われるほど難しいものですが、最近はAI技術を使ってビッグデータを解析することができるので、より簡単に保険商品の開発が可能になっています。

保険分野においては「フィンテック」の代わりに「保険」を意味する「インシュアランス(Insurance)」と組み合わせて、「インシュアテック(InsurTech)」と表現されることもあります。

⑤融資分野

従来、貸し付けや融資を行う場合、企業であれば財務状況や運営体制などを、個人であれば希望者の属性や資産状況を詳細に調査し、融資の可否や融資可能額の算出を行っていました。

ここにフィンテックが入り込んだことで、必要なデータを自動で解析し、焦げ付きが生じない安全な範囲の融資額が自動で算出されるような仕組みを構築することができるようになりました。

融資元の金融機関の手間の軽減になるだけでなく、利用者側も短時間で融資の可否が判明するので、双方にとって有益です。

⑥セキュリティ分野

現在は手元のスマートフォンで決済や送金などが手軽にできますが、セキュリティ面にもフィンテックの技術が参入しています。

二段階認証や顔認証などの技術により、便利な機能を安心して使えるように支えてくれます。

⑦会計分野

企業や個人事業などにおける会計業務を支援する仕組みもフィンテックの一部です。

財務処理や入金管理などの手間を省いて、効率よくビジネスを行えるように支援します。

⑧クラウドファンディング

ビジネス内容や特定の目的をネット上で公開して、賛同を得られた個人や企業などから資金を募るのがクラウドファンディングです。

通常事業資金の調達をする場合、金融機関に掛け合わなければなりませんが、ニッチな事業などでは融資を受けられないこともあります。

クラウドファンディングは、面白い取り組みや社会性のある事業に親和性があり、個人からでも小口資金を幅広く募ることができます。

実際には、資金提供の見返りに何らかの商品やサービスを提供するものもありますし、寄付形式で特に見返りがないものなど色々あります。

⑨ソーシャルレンディング

個人が金銭の貸付けを行うには法律面や利益面など色々とハードルがありますが、少額の投資という行為をもって貸付業に参加できるのがソーシャルレンディングです。

利用者はプラットフォームとなるソーシャルレンディング企業に少額の資金を提供(投資)し、プラットフォーム企業は集めた資金を使ってお金を必要とする事業者に投資します。

個人の利用者は小額から投資に参加でき、発生した金利等の利益の分配を受けます。

以上、フィンテックが活用されている様々な分野を見てきました。

最近は私たちが自宅で手軽に決済や送金を行えたり、便利なサービスを手軽に利用できる時代になりましたが、フィンテックがこれを支えてくれているという実感を持つことができたでしょうか?

■まとめ

まとめ

今回は「フィンテック(Fintech)」とは何か?」というテーマを取り上げて見てきました。

フィンテックの意味は相当広いのでイメージとして捉えにくいものですが、金融全般に広く活用される情報技術だということで大まかな印象をもっておけばよいかと思います。

事業者の皆様におかれましても、日ごろの取引や会計などの面で少なからずフィンテックのお世話になっているはずです。

業種によっては、自社で扱うサービスに上手く取り入れることができれば、これまで無かった利便性を顧客に提供できる可能性もあります。

フィンテックを自社サービスに組み込むことができないか、検討してみるのも一考ですね。